家族信託➁ ~ 遺言書との違い

投稿日:2017.06.26

家族信託は、従来の財産管理では叶えることができなかった想いを叶えることができます。

遺言書では2次相続以降の財産承継は指定できない。

家族信託では今までできなかった2次相続以降の財産承継の指定をすることができます。これにはどういう効果があるのか従来の財産管理と比較して説明します。

例えば、遺言を遺したとしても一代限りしか財産継承の指定はできないですし、遺言で指定した財産をどのように使い、活用し処分するかを指定することはできません。家族信託では、第2受益者、第3受益者など契約書にて決めておくことで、2次相続以降の財産承継を決めておくことができますし、信託した財産についての管理・運用・処分などを指定できます。

 

相続問題となる一例として「財産のほとんどが不動産のみ」の相続があります。例えば、遺言書により特定の相続人へ不動産の全て相続した場合どのような問題が起こるでしょうか。①遺留分の問題②相続税納税の問題③財産が分散してしまう問題の3つが考えられます。

 

これら3つの問題を家族信託では解決することができます。例えば、1次相続で複数名いる子ども全員へ均等に相続し、2次相続以降で、特定の孫へ分散した財産を集約するということができます。そうすれば、相続人全員へ均等に相続するため①遺留分の問題はなくなります。さらに、相続財産が1人に集中しないため納税額は軽くなりますから②相続税の納税の負担についても軽減されます。そして、2次相続以降で財産を特定の孫へ承継できます。一時は分散しますが、最終的には集約させることになるため③財産が分散することもありません。

・成年後見制度では積極的な財産管理ができない

先日、80歳を超えた女性(以下、相談者様という)からこのような依頼がありました。「私が老人ホームに入居することとなったら、入居費や施設利用料などの生活費に充てるために自宅不動産を売却したい。」という内容でした。相談者様の夫はすでに他界しており、子どももいません。現在は一軒家で一人暮らしをしています。老人ホームに入居したら、自宅には戻ってくる予定もない。ということでした。今の生活を続けていけば、預貯金は困らないほど保有しています。しかし、周囲の知人からは「老人ホームの入居一時金はとても高額だった。」ということを聞き、不安になり、今回の相談に至りました。

従来の財産管理では成年後見制度を利用するという方法があります。成年後見制度とは認知症や知的障がい、精神障がいなどの意志判断能力が不十分な方を保護する制度のことです。成年後見人は本人に代わ

り、法律行為をしたり、財産管理をしたりします。家庭裁判所が監督しますので、本人にとって利益にならない行為や合理性が認められない行為は原則することができません。そのため、自由度が高い財産管理ができるとは限りません。

今回の場合、相談者様には自宅不動産の他に預貯金があるため、「この先、不安だから」という理由だけでは自宅不動産を売却する合理性は認められず、相談者様の想いを叶えることは難しいと思われます。

一方で家族信託を使えば、老人ホームに入居することとなったら自宅不動産を売却することが可能になります。家族信託で相談者様が元気なうちに不動産の管理を信頼できる親戚(=受託者)に託します。そうすれば意志判断能力が衰えたときでも、受託者は相談者から託された意志や想いに沿って不動産売却を実行することができるようになります。

とても信頼している親戚が複数名いたことや、ご本人様の強い希望があったからこそ家族信託が利用できますので、家族信託を使えば何でもできるとは限りません。詳細を知りたい方は当協会、または家族信託の専門家へご相談くださいませ

 

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