財産に不動産があるなら要チェック! 相続を見据えた不動産対策・運用

2022年11月08日

相続税対策は、相続が発生する前に行なうべきものがほとんどです。たとえば、所有している不動産をそのまま不動産として残すのか、あるいは現金化するかどうかなど、将来を見据えたうえで検討する必要があります。今からできる対策例について考えていきましょう。

不動産売却や建て替え、投資用不動産の購入も効果的

まずは、不動産を対象に行なえる相続税対策をみていきましょう。
不動産は、売却して現金化することにより、相続税の納税資金に充てられるほか、相続人が複数いる場合に財産分与がしやすくなります。また、不動産を持ち続けた場合に発生する固定資産税などのランニングコストがかからないのもメリットです。ただし、一般に実勢価格が路線価よりも高くなることが多いため、不動産から現金化することによって、相続税評価額が高くなる可能性もあり、売却は慎重に判断する必要があります。
一方で、生前に自宅を建て替えたり、投資用不動産を購入した場合は、預貯金を不動産に換えることになるため、相続税評価額が下がり、節税につながる傾向があります。
ほかにも不動産を対象とした相続税対策には、リースバックやリバースモーゲージがあります。
リースバックとは

自宅を売却した後もそのままその自宅を賃借して住み続けられる仕組みです。生活資金や納税資金をつくることができ、借り入れが無いのがメリットです。ただし、不動産の所有権を失い、賃料を支払い続けることになります。

リバースモーゲージとは

自宅の評価額から算出される融資枠内でその自宅を担保に、一括または、年金の形で定期的に融資を受け取る仕組みです。商品によって異なりますが、月々の返済は利息のみなど少額であることが特徴です。所有者が亡くなって相続が発生したときには、不動産を売却して借りていたお金の返済に充てることになります。ただし、ほかで資金が用意できるような場合には、不動産を手放さずに済むこともあります。

相続税・贈与税・遺産分割に直接関連する対策例

次に、相続税や贈与税、遺産分割に直接関連する6つの対策方法についてみていきましょう。
●小規模宅地の特例

相続税を計算する際に土地の評価額が最大80%減額できます。

●配偶者居住権

夫婦の一方が亡くなった場合に、残された配偶者が、亡くなった人が所有していた建物に、亡くなるまでまたは一定の期間、無償で居住することができる権利です。自宅を『配偶者居住権』と『所有権』とに分けて相続できるようにしています。

●夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

婚姻期間が20年以上の配偶者に対して自宅や自宅を購入するための費用を贈与した場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除されます。

●相続時精算課税制度

相続時精算課税制度を活用すると、原則として60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子または孫に対する贈与に2,500万円の特別控除があります。

●住宅取得資金贈与の非課税制度

父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築・取得または増改築等のための資金を贈与により受けた場合に、一定額までの贈与につき贈与税が非課税になる制度です。

●家族信託

財産を受託者に預けることにより、預けた財産は委託者の財産ではなくなるので、委託者が死亡した場合に、遺産分割協議の対象財産とはならなくなります。また、家族信託は、認知症対策としても使われることがあります。

相続税対策は専門家も交え、不動産など大きなものから考えていくとよいでしょう。

 

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