法定後見制度(後見・保佐・補助)

2020年07月27日

法定後見とは?

法定後見とは、認知症などによって、現に本人の判断能力が低下した場合に、親族等の請求により、家庭裁判所が成年後見人等を選任する場合で、成年後見人等が法定の権限に基づいて本人の財産管理や身の上監護を行う制度です。

判断能力の程度により、成年後見、保佐、補助の3種類に分けられます。

成年後見…本人の判断能力がほとんどない場合

保佐…本人の判断能力が著しく不十分な場合

補助…本人の判断能力が不十分な場合

判断が困難な状況が高い順に、成年被後見人>被保佐人>被補助人となっています。

法定相続人の中に判断能力が不十分な方がいる場合

法定相続人の中に申立ての必要がある方がいる場合は、家庭裁判所での審判を経ないと相続手続きを進めることができません。申し立てを受けてから審判がされるまで1~2か月ほどかかります。

また、制度の目的はあくまでも制度を受けられる方ご本人の保護になります。そのため、遺産分割協議等においては判断能力が不十分な相続人であっても、法定相続分の確保が必ず必要になりますので注意が必要です。

さらに、遺産分割協議を進めるための家庭裁判所への申立ての場合、申し立ての段階で「遺産分割協議の分割案」や「相続財産目録」を求められることが多いです。

このように、相続が発生してからの申し立ては複雑でかなりの時間も要します。

そうならない為に、生前から対策しておくと良いでしょう。対策方法は、ケースによってまちまちなので、ご心配な方は一度専門家に相談されることをお勧めします。