相続登記を放置しておくとどうなる?

2019年05月20日

相続登記はいつまでにやらなければならないというのはありません。しかし、そのまま名義変更しないで放置しておくと下記のような不都合が生じることがあります。

➀ 不動産を処分することができません。

亡くなった方の名義のままでは、不動産を売却することができません。売却などの処分をする場合には必ず相続登記をする必要があります。相続登記をした上で相続人と買主との間で売買契約をする必要があります。せっかく買主さんが見つかったのに相続登記で時間がかかってしまうと買主さんが買うのをやめてしまうこともあります。売買が成立してから相続登記をする場合でも、すぐに相続人間で話がまとまればいいのですが、万が一すぐにまとまらないような場合には売買が流れてしまうことも考えられますので、早めに名義変更の手続きをするのが理想です。

➁ 相続人が亡くなってまい、相続人が変わることがあります。

相続登記を放置しておく間に相続人が亡くなってしまい、元々相続人が子供だった場合でもその子供が亡くなり、孫の世代で話し合いをしなければならなくなることがあります。子供同士であればまとまっていた話し合いも、一つ下の世代になることによって話し合いがまとまりにくいということはよくあります。相続手続きが円満に解決するためにも相続登記を放置しないのが賢明です。

➂ 相続登記をするときに戸籍等の必要書類が多くなり余計な費用が掛かることがあります。

一般的に相続登記をする場合の必要書類としては、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式と相続人の戸籍謄本・住民票・印鑑証明書が必要となります。しかし、上記➁のように相続人の中に亡くなった方がいる場合には、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本も必要となります。亡くなった方が複数いる場合には、亡くなった方全員の出生から死亡までの戸籍が必要となります。戸籍謄本も除籍や原戸籍の場合だと、役所で取得する実費も750円となるため、5通増えればそれだけで3750円の実費が加算されてしますのです。少しでも費用を抑える・スムーズに手続きを進めていくためにも、相続手続きを放置することは避けたほうがいいと思います。

上記はあくまでも不都合の一例に過ぎません。状況によってはその他の不都合が生じることもあるため、相続登記を含めた相続手続きはお早めにすることをお勧めいたします。