家族信託④ ~障がい者の子どもの対策

投稿日:2017.07.14

70代の女性から「私が死んだ後の子どもの生活が心配です。」という相談を受けました。相談者様の夫は既に他界しており、子どもが3人(長女、長男、次男)います。そのうちの長女が精神的な障がいを抱えています。意志判断能力はしっかりしていますが、家事など生活するうえで必要な身の回りのことができません。特に、お金の管理について特に問題があります。同居している母(=相談者様)の財布から勝手にお金を抜き取り、散財するようなことが今まで何度もあったようです。このような状態のため、一人で生活をすることは困難な状況です。長女の兄弟である長男と次男はお二方とも遠方で暮らしているため、つきっきりで面倒を見ることは困難です。

このような状況のため相談者である母には「私が万が一のときでも長女が不自由なく生活を送っていける環境を整えてあげたい。」という強い想いがありました。“万が一のとき”について2つのケースを想定してみます。

①まずは、母が寝たきり状態や認知症などの意志判断能力がなくなるケースです。意志判断能力がない母は長女へお金を渡すことはできません。しかし、母のキャッシュカードを利用して長女が勝手に母のお金を使い込むということは考えられます。もしそうなると、母の相続が発生した場合などのときに、長女は他の法定相続人との争いに発展しかねません。

➁次に母が死亡したケースを考えてみます。死んだ母が長女へお金を渡す方法として2つ考えられます。1つ目は遺産分割協議により渡す方法です。その場合は相続人全員での話し合いとなりますので、母の希望は反映されません。話し合いの結果によっては、長女が全く相続できないという可能性もあります。

2つ目は母が元気なうちに「長女に〇〇万円渡す。」という内容の遺言書を作成する方法です。遺言書があれば、死亡した後、母の希望を反映させることができます。しかし、遺言書だけでは母の「私が万が一のときでも長女が不自由なく生活を送っていける環境を整えてあげたい。」という想いは叶えられません。なぜならば、遺言書では一括でしか相続財産を渡すことができないからです。長女は一括で母の相続財産を受け取ったとしても、おそらく自分一人だけでは管理できません。これから続く長女の生活のことを考えると定期的に、そして継続的に相続財産を渡すことが必要です。

家族信託を利用すれば、母に万が一のことが起こったとしても、その想いを実現することができます。具体的には、母の意志判断能力が無くなった場合やまたは死亡した場合でも毎月決まった金額を定期的に渡すことができます。このようにすれば、長女がお金を余分に使いすぎることはないですし、障がい者支援施設に通う(または入居する)ことになれば身の回りの生活のことはその施設で見てもらえます。

この家族信託では誰が長女のお金を管理するのかという点が重要なポイントとなります。詳細を知りたい方は当協会、または家族信託の専門家へご相談くださいませ。

 

 

 

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